[本の紹介]野口 悠紀雄「超」英語法 | しんりの手 :psych NOTe

[本の紹介]野口 悠紀雄「超」英語法

野口 悠紀雄
「超」英語法

去年の話だけれど、友達が「野口 悠紀雄「超」英語法 」という本をわざわざ日本から送ってくれた。彼はこれで英語を勉強してためになったという。読んでみると確かに実践すれば英語がより分かるようになるだろうな、と思う練習法がいろいろ紹介されている。そこで、心理学の院生の立場から紹介されている勉強法を検証してみますよ。


この本で掲げる目標は、ニュースの英語を聞き取れるようになること。この本によると、英語が読まれる速さは媒体によって違う。TOEIC(英語のテスト)で140語/分と遅く、ニュースで160語(±20語)/分。少し早口の会話で180語だそうだ。


で、この本では速く読まれる英語にいかに慣れていくかの方法をいろいろ紹介している。でもこの前提になっている部分、分かりますか?著者の野口さんは、英語が一語一語区切られて遅く読まれれば日本人でも理解できる、と考えているんだよね。アメリカに自称「留学」で来る日本人はこの時点で問題を抱えている人も多いよね。遅い英語でも分からない人は自分のレベルに合った文をとにかくたくさん読むか聞くかして分からない単語は辞書で何十回でもひくと良いでしょう。これについては後日また書きます。


聞き取りの練習として、内容を既に理解しているものをシャドウイング(聞いた英語をそのまま言う)を行うことを野口さんは薦めている。これは僕も賛成。英語を勉強している人の中でかなりの人が、英語=かっこいい、の図式の延長で、より難しい英語で勉強=かっこいい、と考えている向きがある。だけど、自分のレベルに合った英語や内容が理解できる英語での練習の方がうまくなるのはずっと早い。僕がお勧めする市販の教材は後日に紹介しますよ。


この本の中で一番おいしいのは第5章「聞く練習を実践する」。ここではインターネットで無料で入手できる英語のリスニング教材をたくさん紹介している。これは使える。
あとは第7章で紹介されている「丸暗記勉強法」もとても良い。これは僕も実践してとても効果を上げた。要は、良い英語で書かれた段落を丸まる暗記して、自分でしゃべるときにはそれを応用して喋る。第二言語なんていうのは、結局は頭で考えながら習うスキルだ。真似する(コピーする)というのはどんなスキルを習うにもまずは第一のステップになること。このステップを飛ばしていきなり応用の「喋る」をするのは難しいだろう。 丸暗記は使える。

総合して、英語を学ぶ人に実際に何をしたら良いかを教えてくれる良書。だた、僕には全く必要ないと思われる章もいくつかあったんで読み飛ばすことをお勧めします。いらないのは第3章のカタカナ英語と第4章のアクセントのあたり。


野口 悠紀雄
「超」英語法