外国語の発音は11歳までに。 | しんりの手 :psych NOTe

外国語の発音は11歳までに。


english accent

先週、三次間数の回帰分析をたまたま紹介したんで、今日は実例を挙げてみたいと思いますよ。この表は韓国人が英語を習い始めた年齢と発音の綺麗さをあらわした表。X軸はアメリカに来た時の年齢。Y軸は発音の綺麗さを1(訛りまくり)から9(ネイティブ並み)で評価したもの。


アメリカに来たときの年齢が高いほど英語の発音を習得できないことがわかる。ちなみに白抜きの丸が示すのは、ネイティブのアメリカ人の発音を評価したもので、発音の点数が7.6以上だとネイティブの発音という結果だな。


この発音の域(ネイティブ並み)に達するのは10歳以前に渡米した中でもほんの一部の者に限られている。平均点(曲線で示されている)で見ると、3歳で渡米した8人の平均でも発音の評価は7.3点。最悪の発音を持つネイティブのアメリカ人(7.6点)にも及ばない。14歳以上だと発音点数の中間点(5点)を超えるものは稀な存在だ。


三次関数がここで役立つ理由は、発音習得の臨界期の一点のポイントを見つけることができるからだ。下向き凹曲線から上向き凹曲線に変わる点(11歳時かな)が発音を習う臨界期とも言える。(まぁ、厳密に言えば3歳の時点で既に臨界期を過ぎているという意見も導けるけれどね。)こういった曲線の向きが変わる点を探し出すとかは直線回帰分析ではできない。もっと重要な点としては、相関関係は常に直線で表せるわけではない。二次関数や三次関数が世の中の事象をより表すというのは良くあることだ。


詳しい説明などはこの本に載っている。



Roger E. Kirk (ロジャー・カーク、1994年)
Experimental Design: Procedures for the Behavioral Sciences (Psychology)


上の発音のデータはこの下の本から。

Margaret W. Matlin
Cognition

-----------------
検索キーワード:心理学、言語心理学、言語学、リングイスティック、linguistic, 臨界期、クリティカル・ピリオド、critical period, 発音、アクセント、認知心理学、第二言語、