女の方が言語能力が上って言っても大差は無いんだな | しんりの手 :psych NOTe

女の方が言語能力が上って言っても大差は無いんだな

hines159

男女の能力の差を比べた心理学の実験結果は山ほどあるけれど、それを数字抜きでどっちの方が上って言う事実だけで覚えている場合が多い。例えば、空間認知は男が上で、言語の力が女が上、とかね。じゃあ、いったいどのくらい男の方が上なのよ?という表。


X軸は9つの比べた項目。左から順に、1、身長。2、心的回転。3、空間認知。4、空間視覚化。5、認識速度。6、話し言葉の流暢さ。7、語彙。8、物を狙って投げる正確さ。9、子供の遊び方。

Y軸は標準偏差(SD, Standard Deviation)。


身長で見ると、男の方が標準偏差で2も上だ。標準偏差で2.0の違いというのは、男性の平均値(日本だったら170cmくらいか?)に達する女性は2%しかいないということ。ちなみに標準偏差が0なら男性の平均値に達する女性の割合は50%になる、という計算です。

心的回転で見ると標準偏差で1の違い。これは男性の平均値に達する女性は16%。これもかなりの差だな。

ターゲット狙いの課題では1.5の差なので男性の平均点に達する女性は7%のみとなる。これはあくまでも男性平均との比較なので、もし女性が野球の投手になろうとして、男性のトップレベルの投手と張り合うんなら、それがいかに困難なことかが分かるな。


では女性が優れていると言われる言語能力は?標準偏差でマイナス0.4くらい。これは男性の平均値に達する女性が66%いる。つまり男性(の平均)よりも言語能力の高い女性は10人中6~7人に留まる。これはそれほど大きな差ではない。


言語能力の差が小さいんでびっくりしたよ。実生活だと女性に言いくるめられまくってるんで、圧倒的に女性のほうがことば関係に強いんだと思ってたけど。この辺が「統計的効果量」が重要だと言われる理由だな。過去の心理学の統計では「女性のほうが上」という「統計的に有意な差」が見つかればそれでおしまいだったけれど、それがどのくらいの大きさの差なのかは「効果量」や「標準偏差」で測られる。



参照元:P.159.

Melissa Hines
Brain Gender

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